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店長の独り言 2013年11月号
今年気になった1曲

   今年も残すところ後1ヶ月となりました。
年々新譜の発表が減ってきているとはいえ
今年もロシアン・ポップス界はがんばっていましたね。

そこで今年一番気になった1曲を
勝手に取り上げてみたい!
と思います。

ヴァレリヤが7月に発表した
「曲がりくねった道を」に収録されている
「ダイ・ボフ」
という曲です。

日本語にすると
「神様お願いします」
とか
「祈り」
といった意味になると思います。

実はこの曲はヴァレリヤが初めて歌った曲ではなく
アレクサンドル・マリーニンなども歌っている曲の
カバー曲です。

作曲はレイモンド・パウルス。
作詞はソ連・ロシアを代表する詩人のエヴゲニー・エフトシェンコです。
ソ連時代にユダヤ人の迫害をテーマにした作品を
発表したとして知っている人もいると思います。

この曲を初めて聴いたとき
何故かしら
力強い清々しさと深い余韻が残りました。

それで歌詞の意味が知りたくなって
詩人の作品なので難しいものですが、
自分なりに意味だけを読み取ってみました。


目の見えない人の視力が戻りますように
そして、せむしの人の背中が真直ぐになりますように
少しだけでいいので神様になれますように
でも、十字架に磔になるのはダメです

権力に陥りませんように
そして、英雄的行為に嵌りませんように
また、富を得たとしても、それが盗みではありませんように
もちろん、そう出来ればの話ですが

したたか者であったしても
悪党の一味によって食い物にされませんように
それが被害者であろうと迫害者であろうと
高官であろうと乞食であろうと

大ゲンカがあったときでも
怪我がより少なくなりますように
自制を失わない国が
多くありますように

国家が君を
足蹴にしませんように

君の妻が
極貧であっても君を愛しますように

嘘つきが、子供の叫び声の中に神の声を聴いて
その口を閉じますように
キリストを生きたものとして
男性ではなく女性の顔かたちの中にその存在が見えますように


私たちが担うのは十字架ではなく十字架でないもの
貧しき者が身をかがめるように
すべての人を信頼しなくならないために
幾ばくかの神のご慈悲がありますように

すべてを、すべてを、すべてをお願いします
それも
すぐに全ての人に
お願いします
腹をたてる人がいないように
すべてをお願いします
ただし、そのあと恥ずかしくならないように

Дай бог слепцам глаза вернуть
и спины выпрямить горбатым.
Дай бог быть богом хоть чуть-чуть,
но быть нельзя чуть-чуть распятым.

Дай бог не вляпаться во власть
и не геройствовать подложно,
и быть богатым- но не красть,
конечно, если так возможно.

Дай бог быть тертым калачом,
не сожранным ничьею шайкой,
ни жертвой быть, ни палачом,
ни барином, ни попрошайкой.

Дай бог поменьше рваных ран,
когда идет большая драка.
Дай бог побольше разных стран,
не потеряв своей, однако.

Дай бог, чтобы твоя страна
тебя не пнула сапожищем.
Дай бог, чтобы твоя жена
тебя любила даже нищим.

Дай бог лжецам замкнуть уста,
глас божий слыша в детском крике.
Дай бог живым узреть Христа,
пусть не в мужском, так в женском лике.

Не крест - бескрестье мы несем,
а как сгибаемся убого.
Чтоб не извериться во всем,
Дай бог ну хоть немного Бога!

Дай бог всего, всего, всего
и сразу всем - чтоб не обидно...
Дай бог всего, но лишь того,
за что потом не станет стыдно.

歌詞だけを見てみても
感銘を受けるものではありませんでした。
でも、ヴァレリヤが歌うと
歌詞に命が吹き込まれます。

ところで
先に名前を出したアレクサンドル・マリーニンが歌っているのを
ユーチューブで聴くことができます。

それで
ヴァレリヤのそれと聴き比べてみると
マリーニンの歌声は確かに美しいのですが
ヴァレリヤと比べると
清々しさや感動は薄いです。

歌っている時間もマリーニンのそれは3分台なの対して
ヴァレリヤは4−5分以上かかっています。

かつて美空ひばりさんが
「悲しい酒」を歌う時間が
レコーディングをした当初は3分台だったのが
最晩年では6−7分台になったという話を思い出します。

ヴァレリヤは元々ロシアで1・2を争う歌唱力の持ち主ですが
こんなところにもヴァレリヤのアーチストとしての実力を
思い知らされました。

記憶に残るヴァレリヤの曲は多いのですが
また1曲
彼女の好きな曲が増えた気がしました。

みなさんの今年1番の
あるいは
気になった曲はありましたか?


2013,11,30

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