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店長の独り言 2016年9月号 | ||||||||||||||||||||
9月中旬にモスクワのみの現地買い付けに行ってきました。 久しぶりのモスクワは既に10℃前後の気候で 寒かったです。 今年の春に訪れたときとの違いは 街中にあったキオスクがほとんどなくなっていたことです。 春に既にかなり撤去をされるか 店終いをしていたものが 完全に無くなってました。 と言っても全部消えたわけではなく 大きな立派な構造物のものだとか 新聞などの印刷物を扱っているキオスクは若干ですが 残ってました。 キオスクと一緒に無くなったものとしては 街中の広告用の看板が挙げられます。 以前はメトロ(地下鉄)の エスカレーターの壁に一面看板があったのに 消えてました。 (写真上から5枚目のものが 2014年春に撮ったもので まだ広告がありました。 6−7枚目のものは2015年春に既に 広告が撤去されて 看板の痕が残ってます。 8−9枚目は今年の春と秋のもので 看板の痕跡が消されて キレイな白壁になってました。) 通りでも 電動式や立派な広告以外は見ることが出来ませんでした。 (写真2枚目と4枚目のもの) キオスクが無くなったのも 広告用看板が消えたのも すべては町の美化のためらしいです。 ソ連時代は 資本主義ではなかったので ソ連共産党や社会主義高揚のスローガン以外の広告は ありませんでした。 それが街中に溢れ出したのは ソ連崩壊後の90年代のことです。 街中のキオスクは ソ連時代もありましたが 90年代になってからは どこにでもある便利なお店で 日本のコンビニのような存在でした。 メトロの構内や 駅の出口には必ずと言っていいほど キオスクはあったものです。 新聞や雑誌のキオスク お酒や飲料水のキオスク アイスクリーム専門キオスク チュブラーシカ専門のキオスク パンやピロシキのような軽食ものを専門とするキオスク コンサートチケットのキオスクなどなど とても重宝してました。 それで買い付けに夢中になっていて 食事を取り損ねたときなどは ピロシキだけを買って その場でレンジでチンしてもらい ホテルに戻って簡単な夕食にしたものです。 それが町の美化のために無くなり それなりに不便になってしまいました。 90年代にキオスクが増えたのは 当時のモスクワ市長だったルシコフ氏の利権とも絡んでいたのかもしれません。 ルシコフ時代が モスクワのキオスク全盛期だったと思います。 ルシコフ氏はエリツィン時代に頭角を現し 一時は改革派として人気のあった政治家でした。 プーチン時代になっても 国政でも活躍をしてましたが 政権と対立をするようになり 2010年に解任。 汚職疑惑を追求されて ルシコフ氏の家族は国外移住となっています。 市長が代わり ソビャーニン元副首相になってから 大きな変化が見られます。 かつてはミュージック・キオスクもあって 一般のお店にはない レアなCDがキオスクで見つかったこともありました。 珍しいマグネットとか新しい日めくりカレンダーなど そんなレアなものを探すのも楽しかったものです。 確かにモスクワは 街中がすっきりとして キレイになりました。 それでも 年に一度か2度しか訪れない旅行者にとっては キオスクは 強い味方だったんですけどね。 2016,9,30 |