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店長の独り言 2017年7月号
 ↑ユーリヤ・サモーイロワ
 ↑メイン会場近くのスーパー内のグッズ売り場
 ↑ユーロヴィジョン記念ラッピングメトロ車両
ウクライナは今:
ユーロヴィジョン2017キエフ大会周辺A:
ロシア代表不参加の顛末


  5月中旬に開催されたユーロヴィジョン
キエフ大会の裏では
ロシアとウクライナの間で
ウクライナ東部での戦闘とは別の
もう一つの戦いが
繰り広げられていたのでした。

ロシアでは
ユーロヴィジョン国内選考会で
ユーリヤ・サモーイロワが優勝しました。

ユーリヤ・サモーイロワは
コミ共和国のウフタ出身で
13才のときに
脊髄性筋萎縮症を発症し
歩行が困難ですが
アーチストとして活躍をしています。

数々のコンクールに出場していたサモーイロワは
アーラ・プガチョワ主催のTVスター誕生番組
ファクターAでファイナリストに残るなど
早くからその才能が知れ渡っていたアーチストです。

2014年のソチパラリンピックでは
開会式で歌っています。

そのサモーイロワに対して
ユーロヴィジョン開催者であるウクライナ組織委員会は
ビザの発行を拒んだのです。

2015年6月
クリミアの町
ケルチで開かれたガラコンサートに
サモーイロワが
ウクライナ政府の許可なく入国して
参加したことが
不法入国であるとして
ビザが出せない理由となりました。

ロシア側にとっては
サモーイロワのウクライナ入国拒否は
寝耳に水の出来事であったようです。

ロシア代表は
国内の正式な選考会を経て選ばれたものです。

ユーロヴィジョン側は
ウクライナ組織委員会と
ロシア組織委員会が話し合うように要請。

ウクライナ側は
ロシアに対して
サモーイロワとは別の代表を出すように主張。

ロシア側は
代表変更を拒否。

結局
話し合いは物別れに終わり
ロシア側はユーロヴィジョン不参加を決定しました。

ウクライナには
ウクライナの事情と理屈があり
ロシアとの関係が冷え切っている状況では
頑な態度にならざるを得なかったことは
わからないことはないです。

それでも
主催者としての度量を見せてもよかったのでは
と思ってしまいます。

結果
ウクライナは
音楽の祭典であるユーロヴィジョンに
政治問題を持ち込んだとして
信頼を失いました。

ユーロヴィジョン側は
ロシア不参加で
ロシアの放送権料を失うことになりました。

ロシアにはサモーイロワの他
弊社でも取り扱いがある
盲目のアーチスト
ジアーナ・グールツカヤがいますが
障害をもつアーチストの活躍は
ユーロヴィジョン側としても
開かれた大会になっただけに
残念な結果となってしまいました。


2017,7,29
     
 
 ↑2016年の建設途中の高層ビル
 ↑2017年5月建設途中の高層ビルを覆う作業中
 ↑2017年5月建設途中の高層ビルを覆う作業完成
 ↑2010年5月のキエフ独立広場
 ↑2014年4月2月騒乱直後のキエフ独立広場
 ↑2015年4月のキエフ独立広場
 ↑2016年4月のキエフ独立広場
 ↑2017年4月のキエフ独立広場
ウクライナは今:
ユーロヴィジョン2017キエフ大会周辺@

  5月中旬に開催されたユーロヴィジョン
キエフ大会メイン会場の近くでは
最寄り駅の改装、
駅周辺の整備以外に
もう一つの変化があったのでした。

会場近くには
300mぐらい離れたところに
ここ数年建設途中になったままの高層ビルが
ありました。

その建物を
なんと白いカヴァーで
覆ってしまったのです。

建設途中と言っても
廃墟になっているわけではなくて
レンガ積みの赤褐色が
むき出しになっている程度で
見た目に別に問題になるような感じではなかったです。

しかし
ユーロヴィジョン会場近くの建設途中ビルというだけで
見た目を気にしたのか
こんなオブジェになってました。

これはこれで
面白かったですけど
主催者側としては
海外メディアの目を意識し過ぎた結果
だったのでしょう。

それにしてもお金のかける場所が
違う?
ような気がしました


ところで
建物を覆うということでは
2014年のキエフ暴動の騒乱の中で燃えてしまった
マイダン独立広場の建物があります。

毎年
独立広場の様子は見ていますが
キエフ騒乱以降3年が経つ
というのに
覆いは取れないままです。

結局
建物を再建するお金と意志が
ないのだろう
と思います。


2017,7,21
        
 
 ↑ユーロヴィジョンメイン会場
 ↑一新された駅改札機(最新式の機器を導入)
 ↑2017年4月駅ホームから撮影
 ↑2017年5月駅改装後ホームから撮影
 ↑2017年4月の駅からメイン会場に行くルート上
 ↑2017年5月の駅からメイン会場に行くルート上
 ↑2017年4月の駅(線路の防護柵が青と黄色)
 ↑2017年5月の駅(線路の防護柵がグレーに
塗り直されている)
 ↑未だ町中は青と黄色のまま
ウクライナは今:2017年5月
ある地区だけから青と黄色が消えた

  ウクライナに2度目に入ったのは
5月初旬のことでした。

その前の4月中旬に入国した際
実は
気になっていたことが
ありました。

いつも使っているホテルの最寄り駅が
別段急いで行うほど問題があったわけではなそうだったのに
全面改装中だったのです。

ウクライナは今
経済状態が危機に瀕しているにもかかわらず
改装するお金があるんだ
と不思議に思ったわけです。

メトロ(地下鉄)の駅の改装といっても
単に駅構内を改装するだけではなく
駅周辺の道路舗装、歩道整備も行われていたのも不思議でした。

その理由は
5月にキエフ入りをして

ホテルの部屋でTVを見ていたら
すぐにわかりました。

ホテルの最寄駅は
5月中旬に開催されるユーロヴィジョン
キエフ大会メイン会場の
最寄り駅でもあったからです。

そして
駅周辺がキレイに整備されただけではありませんでした。

駅線路の防護柵
周辺の道路にある歩道の柵、手すりなど
2014年の2月暴動、政変後
町中青と黄色のウクライナ国旗色に塗られた景色が一変したのです。

駅周辺からは青と黄色はすべて消え
グレーに塗り替えられました。

これは一体どうしてでしょうか?

海外からの目に
とりわけ
ヨーロッパのTVに映ることを意識したためでしょうか?

だとするならば
町中にある青と黄色の風景が
実は”おかしい”ことで
行き過ぎたナショナリズムであることを
ウクライナの人たち自身が感じている
ということの証明になっているのかもしれません。

あるいは
そういうウクライナの今を
見せたくなかったのか・・・・。

とは言っても
青と黄色が消えたのは
ユーロヴィジョンメイン会場のある
駅周辺だけのことで
キエフは町中が
未だにウクライナ国旗に染められていることには
変わりはないのですが・・・・。


2017,7,4
       

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