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店長の独り言 2018年9月号
↑インテルによる「勝利、すべては1つ」コンサート
↑インテル前に集まった右派による
コンサートを阻止しようとしての抗議行動
2018年5月9日キエフでの戦勝記念コンサート

  5月9日
キエフでは
TVインテルが「勝利、すべては1つ」と題した
戦勝記念コンサートの模様を放送しました。

司会のアンドレイ・ダマンスキーは
「ファシズムの犯罪者たちの名前が
国内の各地で通りの名称として付けられ
彼らのポートレートが掲げられて
キエフの街中を闊歩することを許すことは出来ません」
と発言。

「ファシズムの犯罪者たち」というのは
ステパン・バンデーラたちのことで
(ロシアではバンデーロフと呼ばれています)
第2次世界大戦前には
ウクライナ民族主義者として西ウクライナでテロ活動をしていて
ポーランド警察によって逮捕。

ポーランドの刑務所に収監されているとき
第2次世界大戦が始まり
ポーランドがドイツに占領されたことで解放。

リヴィウで再びウクライナ独立派として活動をして
ドイツ軍に捕まりドイツの収用所に収監。

ソ連軍が収用所を解放した後
ウクライナには戻ることが出来なかったので
ドイツでウクライナの独立運動をしていたものの
KGBによって1959年に暗殺。

ウクライナ独立運動をしている時に
ナチスドイツ側についていたので
ソ連ではファシストとされているし
ポーランド人も多く殺害しているので
ポーランド側からしてもテロリスト。

それが1991年のウクライナ独立を機に
ウクライナ民族独立運動の象徴とされていて
このバンデルの名前は
今日リヴィウなどでは
通り名前になったりしています。

キエフでもバンデルのポートレートが売られていますし
右派からすれば英雄な訳です。

そのことを苦々しく思っていた人たちが
ようやく公の場で発言したことになります。

司会のアンドレイ・ダマンスキーは
「ときどき私たちは
(ウクライナの)すべての人たちが
自分たちに反対で
自分に国で
自らをよそ者と感じてきました。
でも、
それは違っています。
(私たちと同じ気持ちの人たちは)多数います」
とも言いました。

2014年以降
ウクライナでは
学校でのウクライナ語教育が強化され
反ロシア的な雰囲気が強くなっていました。

でも
2018年春から
親ロシア派の巻き返しが始まったようです。

これは
行き過ぎたウクライナ至上主義、ウクライナ民族主義からの揺り戻しであり
最後の希望でもあったポロシェンコ政権(現政府)への失望
から来ている現象だと思われます。

5月9日
ウクライナで戦勝記念コンサートが
TVで放送されたことは画期的でした。
インテルによれば視聴率24%だったということです。

さて、
来年2019年の5月9日は一体どうなるのでしょうか。


2018,9,28
      

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