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店長の独り言 2018年10月号
↑プーチン氏を待つ招待客
↑プーチン氏の入場 
↑一斉に拍手をして、写真撮影を始める招待客
2018年5月7日プーチン氏の大統領就任式とプーチン時間

  今年5月7日
モスクワのクレムリン内にある教会で行われた
プーチン氏の大統領就任式がTVでライヴ中継されました。

たまたまその日モスクワに着いて
ホテルに入り
11時ぐらいに
TVのスイッチを入れたとき
式典のライヴ映像が既に始まってました。

多くの招待客がずっと待っている映像で
ポップス歌手のザーラ、グールツカヤ
チェリストのバシュメット
フィギュアスケートのプリュシェンコなどの顔が
映し出されてました。

それでプーチン氏はどこにいるのだろうと
思っていると
映像は
教会内のものから
大統領執務室に切り替わります。

ワイシャツ姿のプーチン氏は机の前に座り
何か書き物をしていたと思います。

それから
おもむろに立ち上がると
スーツの上着を着て
執務室を出ました。

壁にずらりと絵画が飾ってある長い長い
廊下を歩き
途中衛兵が立っていると挨拶を交わし
またまた長い長い廊下を
ひたすら進むプーチン氏。

当然
カメラはプーチン氏の前を行きます。

階段を颯爽と降り
やっと
建物を出ると
待っていた車に乗り込みました。

このとき
「この車は
2020年から生産が開始される
空手?
と命名された車です」
という中継アナウンサーの説明が入りました。

車で教会まで来ると
中に入り

「ロシア大統領
ヴラジーミル
ヴラジーミロヴィッチ
プーチン」
というアナウンスがあり
大きな扉が儀仗兵によって開けられ
プーチン氏が
招待客が待ち受ける内部に
姿を現しました。

まるで
マラソンランナーが
観客の待つスタジアムにトップで入ってきたような
高揚感がありました。

招待客が拍手で
プーチン氏を出迎える中
プーチン氏は颯爽と歩みを進めます。

驚いたことに
招待客は
一斉に手持ちのスマートフォンやカメラで
プーチン氏を撮影し始めました。

招待客なのだから
それなりの身分や社会的に地位の高い人たちと思われますが
多くの人が写真を撮ってました。
ここがいかにも自由奔放なロシア人らしくていいです。

そして
プーチン氏は
教会正面に設けられた就任台に上がり
壇上のメドヴェージェフ氏、
パンフィーロワ選挙管理委員会長
キリール1世ロシア正教総主教
と挨拶を交わしました。

このときです。
なんと
時計の針が12時を指し
教会の鐘が一斉に鳴り響きました。

ここから
大統領就任宣誓式が開始されたのです。

とても驚きました。
これは一体どういうことなのでしょうか。

確か
ライヴ中継の映像は
プーチン氏の執務室から映し出してました。

長い長い廊下を幾重にも進み
階段を降り
外に出て車に乗り込み
教会まで辿り着いたのです。

教会の大きな扉が開き
割れんばかりの拍手の中を進んで
壇上に上がって
キリール1世たちと握手。
そして12時ちょうど。

こんな時間振りが
どうして出来るのでしょうか。

つまり
すべてが計算され尽くしていた
ということでしょうか。

一般のロシアの人たちの時間感覚とは
明らかに違います。

プーチン大統領は
9月12日
ウラジオストックで開かれた
東方経済フォーラムの全体会合の中
聴衆が見守る前で
安倍総理に対して
「今思いついた。
年内に平和条約を締結しよう」
と呼びかけました。

これは
安倍氏が
「新しい発想のアプローチで」
と何回も何回も会談を重ねているにもかかわらず
毎回同じ文言を繰り返していることや
この日の
プーチン氏の発言前
聴衆の面前で
「平和条約を
今やらないでいつやるのか」
と発言したことに対するリアクションだったのではないか
という見方があります。

しかしながら
5月7日にあった
大統領就任式の段取りを見ていると
全く違った印象を持ちます。

プーチン氏には
「プーチン時間」なるものがあって
すべてが綿密に計算され
物事が進められているのではないか
と思うのです。

思えば
2014年のクリミア併合のときにも
ウクライナの騒乱の際
事態は刻々と変わる中
その都度
その場その場の対応では出来るわけがない軍の展開が
密かにクリミアでなされていたことを思うと
ことはそう簡単ではない
と思わざるを得ないのです。


2018,10,31
      

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